Webサイトの掲示板は、多対多のやりとりができる双方向ツールであることや、利用する側が時間に束縛されないことなどから、ある意味で一番ネットらしいツールかもしれません。個人が制作するサイトでは、掲示板がにぎわっていることがひとつの人気バロメーターのようにもなっていますし、ありとあらゆる話題が渦巻く巨大な掲示板専用サイトも存在します。運用側からみた場合掲示板の優れたところは、制作の手間がなくコンテンツ(発言)が増えてくれる。うまく運営すれば利用者同士のいいコミュニティに発展する。ということにあります。
しかしながら、企業サイトでその掲示板を上手く取り入れるのは至難の業です。せっかくお客様たちの情報交換を目指して作ったそれが、企業や商品への誹謗・中傷の場になってしまったり、利用者同士のヒートアップに手を焼いて、結局は掲示板を閉鎖したなどという例は山のようにあります。ネット上の掲示板とは違いますが、最近GMSの店内にお店へのご意見に対する店長さんの答え等を張り出しているところを見かけます。基本的にはあれと同じようなものですね。「答えづらい内容に関しても必ず店長が自ら答える。」というようなルールや、「苦情が多いからといってやめない。」という意思のもとに運営がされれば、いずれはお客様の間に信頼感が生まれるいい「場」へと発展する可能性があるはずです。
ただし、リアルの掲示板が投稿と同時には掲載されないのに比べて、ネットの掲示板は瞬時に掲載されるので、運用上いくつかのポイントはあります。投稿されたことを知らずに、答えがいつまでも掲載されないという事態は基本的なこととして避けたいですし、そのためにも投稿が即時には反映されない仕組みを導入しているところも多く見かけます。筆者がいままでに手がけた例としては、「好きなところを教えて!」という掲示板がありました。SC内で発見した好きなショップ・商品・サービス・スタッフ等についてのみ投稿してもらうのです。情報を発信する側が「これっていいでしょ!」といったところで、信憑性は低い気がしますが、実際に利用したお客様が「これがよかった・好きです」といっている情報なら信頼できます。「なんでも投稿を受けると苦情ばかりが来てしまうから。」という理由だけで掲示板を躊躇している方には、こんな使い方もあるという例でオススメです。