2003年4月10日木曜日

Vol.10 エクストラネットとしてのサイト利用

この連載、今までは基本的に「お客様に向けてのサイト運営」に関する内容をお届けしてきましたが、サイトはエクストラネットとしてディベロッパーとテナント間の情報交換をすることもできますから、今月はその視点でのお話しです。ディベロッパーからテナントに向けて発信する情報は、どのようなものがあるでしょうか?売上の数字に関することから始まり、販売促進や総務管理に関する情報など、相当数のボリュームがあるはずです。大型店でテナント数が多いところや、チェーン展開をしていて店舗自体が多いところはそれがさらに広がります。このような場合、従来紙に印刷・コピーをして配布していた情報を、デジタル化してネットで配布する(閲覧していただく)と、手間やコストが大幅に削減されます。

ホームページといえば、どちらかというと販売促進のことで、営業的・総務的な分野のスタッフには関係ないと考えている方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。最近ではエクセルやワードで作成した文章も、比較的簡単にホームページとして公開することができるようになってきましたし、ネット上でよく使われるpdfというファイル形式で保存することも(ソフトさえあれば)簡単にできます。毎月、テナント向けに多くの文章を郵送・FAXしているディベロッパーの方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?その場合は、お客様向けのサイトとは別のドメインにしたり、セキュリティのためアクセス認証を加えたりということがポイントとなってきます。

このような仕組みで関係者に情報を発信できると、紙の場合とは違い、より多くの方に同時に見ていただくことができますが、私はネットの一番優れている部分はここにあると思っています。言い方を替えれば「多くの人が同じ情報を見ながら、ひとつの目標に向かって知恵を出し合うことができる。」ということでしょうか。一対一でもピラミッド状の情報伝達でもない、多対多のそれはナレッジマネジメントに最適です。よく社内のイントラネットでこの効用がいわれますが、多くの組織が関わるショッピングセンターのようなところこそ、この力を最大限利用すべきです。テナントのどの部門の人に見て欲しいのか?その結果どのようなアクションを望むのか?等を考えながら、ネットならではの情報発信をすることにより、その「結果」は紙のときとは大きく違ってくるはずです。