12 回にわたって連載させていただいたこのコーナーも、今回が最後となりました。まとめの話題として何がいいのかをいくつか考えてみたのですが、それは「人」に行き着きます。みなさんの組織のWebサイト担当者はどのような方でしょうか?数年前によくみられたのは、所属している部署にかかわらず「パソコンに詳しい人」だったりしましたが、最近では販促・広報関連の仕事をしている方が担当するケースがほとんどだと思います。所属部署はともかく、この担当者の意識とスキルでサイトは活きもしますし、反対にさびれもします。
ショッピングセンターに限らず、いま多くの企業に社内Webプロデューサーが求められています。単なるサイト担当者の枠を超えて広い視点をもち、社内外の様々な情報をとりまとめてサイトを運営していく責任者をイメージしていただきたいのですが、彼らに求められる能力は、<社内外の情報をキャッチするアンテナ、情報を理解・選択する力、調整能力、思いやり、ミス・トラブル対応力、決断力、自社と顧客に対する知識>など多岐にわたります。また、実作業としても<デザイン・コンテンツ・予算・スケジュール・制作ルール・社内体制・広報・個人情報保護・ブランド等>のマネジメントをしていく必要があります。SCの場合Webサイトを専任で担当しているケースはまれだと思いますが、サイト担当者はぜひこのことを念頭においてみてください。コンテンツの幅や、リアルとの連動という場面で大きな効果があるはずです。
筆者は、本企画の中でたくさんのSCサイト担当者にインタビューをしてきましたが、それぞれにまじめで熱心に取り組んでいらして、情報の鮮度に特に気を遣う姿が浮き彫りになりました。ただ、それに追われて日々の業務がたいへんだと感じている方が多いのもまた事実で、ショップの情報をいかに更新するか?という「手段」が運営上の最大の悩みという方も多くいらっしゃいました。確かにそれは重要なことではありますが、サイトはもっと多くのことを扱う情報の拠点です。「目的」は何かという原点をまず確認し、Webプロデューサーとしての役割を意識しながらサイトを運営していけば、それは必ず生きた「媒体」になると信じています。